……寒いけど動きたい。しかし、ランニングウェアでは公園まで歩く間が寒過ぎる。あったかいダウンコートだと汗かいても洗濯機で洗えない。走ると気持ちいいから、極暖の重ね着して最初から走るか......いや、けが防止のためにも最初は歩いたほうがいい……あ~それにしても外は寒そう。コーヒーをもう一杯飲もうか……
この思考が、まるでYoutubeのループ再生のように繰り返される冬の朝。
最近やっと、このグズグズ病への対処を少し学んで、冬の間のランニングは、急ぎの仕事がない暖かな昼間にすればよしと決めた。それ以外は、休足日と割り切って、さっさと好きなだけ着込んで歩きに行く。今冬買ったUNIQLOのヒートテックジーンズは裏起毛のハイライズでウエストまで暖かい。腰まですっぽり隠れるダウンコートはフードもかぶって、手袋のなかにはホッカイロも入れる。準備万端!
散歩だけのときは、ダウンコートのポケットにスマホ、ジーンズのポケットに家の鍵を入れ、手には何も持たない。手ぶら。目に飛び込んでくる印象的な景色や植物はスマホで写真が撮れるし、もし必要ならPayPayも使えるし、スマホケースに若干の現金も入れてある。手ぶらだと、散歩がこの上なく心地よくなる。
散歩のときと同様に、普段の生活でも、そして心のなかもモノが少ないほうが快適なのかもしれない。
毎日のようにお参りに行く近所の神社の今月の教え
「心に物なきときは心広く体泰(やすらか)なり」by上杉謙信......物欲がなければ心はゆったりとし体はさわやかである『上杉謙信公家訓16か条』
上杉謙信と言えば、川中島で5回戦った武田信玄と比較されることが多い。領土を広げようとする政治家の信玄と、戦いそのものに魂を賭ける武人の謙信。自らを毘沙門天(仏教の守護神)の化身と信じ、仏教に帰依して45歳で出家した謙信の言葉は、説得力があり、ぐっと心に響く。
床の上に物が何もなければ掃除がしやすいように、物を増やすより身の回りには少数精鋭の心地よいものだけを置き、心の中もあれやこれやの思いを抱えておくより可能なものは潔く手放して、残りの人生を歩めたら心地よいだろうと思う。手ぶらで散歩するように。