60過ぎて、アスリート気取り~Like an Athlete after 60

60過ぎて、アスリート気取り~Like an Athlete after 60

よく動けば、老後もすこやかに暮らせるか!? そんな試みを楽しむ日々を綴ります~~The fitness journey of a Tokyo woman in her 60's

筋肉を手なずける?~How Did He Get Into Running?

いつも楽しみに読ませてもらっているブロガーさんが以前にすすめてくれていた村上春樹著『走ることについて語るときに僕の語ること』を読んだ。村上氏自身がこの本を「ランニングという行為を軸にした一種のメモワールとしてよんでいただいてもさしつかえない」と前書きや本文で書いているように、彼の小説家としての、あるいはランナーとしての基本的な考えや向き合い方を通して、村上春樹というひとりの人間の人生観のようなものが綴られていて、非常に興味深かった。そして、この偉大な作家にとても親近感を覚えた。


……専業小説家になったばかりの僕がまず直面した深刻な問題は、体調の維持だった。もともとほっておくと肉がついてくる体質である……本格的に日々走るようになったのは『羊をめぐる冒険』を書き上げたあと、少ししてからだと思う。専業小説家としてやっていこうと心を決めたのと前後しているかもしれない。……

村上春樹氏がマラソントライアスロンに挑戦していることは知っていたが、この本を読んで、走ることの動機のひとつが健康の維持だったことを知った。1982年秋、彼がまだ33歳のときだ。そして走るにつれて野菜中心の食事になっていったというくだりもあった。座りっぱなしになる小説家としてやっていく決心=日常的に走る決心だったとは。う~ん、健康オタクとしては、ただただ拍手を送りたい。


……専業小説家になって何よりも嬉しかったのは、早寝早起きができることだった。……朝の5時前に起きて、夜の10時前には寝るという、簡素にして規則的な生活が開始された。一日のうちでいちばんうまく活動できる時間帯というのは、人によってもちろん違うはずだが、僕の場合のそれは早朝の数時間である。その時間にエネルギーを集中して大事な仕事を終えてしまう。そのあとの時間で運動したり、雑用をこなしたり、あまり集中を必要としない仕事を片付けていく。日が暮れたらのんびりして、もう仕事はしない。本を読んだり、音楽を聴いたり、リラックスして、なるべく早いうちに寝てしまう。……

いやー、まさに私が描く理想の時間の使い方ではないか。こういう仕事のやり方、バランスのとれた生活を30代からしていたとは!ただ、ただ、すばらしいの一言だ。

……僕が勉強することに興味を覚えるようになったのは、所定の教育システムをなんとかやり過ごしたあと、いわゆる「社会人」になってからである。自分が興味を持つ領域のものごとを、自分に合ったペースで、自分の好きな方法で追及していくと、知識や技術がきわめて効率よく身につくのだということがわかった。たとえば翻訳技術にしても、そのようにして自己流で、いわば身銭を切りながらひとつひとつ身につけてきた。だから一応のかたちがつくまでに時間もかかったし、試行錯誤も重ねたが、そのぶん学んだことはそっくり身についた。……

ここにも強い共感を覚える。何かを学ぶとき、研修やセミナーを受けたり何かの組織に属したりすることで効率よく学べる側面も多々あるが、その場合でも、学んだと思うことを自分のレベルにまで落とし込んで自分で納得することが大事だと思う。そうでなければ学んだことを実際に使いこなせない。今までは時間に制限があったこともあり、学びは仕事に関連したことが多かったが、この年齢になり、幸いにも「興味あることや必要なこと」だけを「自分のペース」で学べる環境になった。なんと幸せなことか。

……筋肉は覚えの良い使役動物に似ている。注意深く段階的に負荷をかけていけば、筋肉はそれに耐えられるように自然に適応していく。「これだけの仕事をやってもらわなくては困るんだよ」と実例を示しながら繰り返して説得すれば、相手も「ようがす」とその要求に合わせて徐々に力をつけていく。もちろん時間はかかる。無理にこきつかえば故障してしまう。しかし時間さえかけてやれば、そして段階的にものごとを進めていけば、文句も言わず(ときどき難しい顔はするが)、我慢強く、それなりに従順に強度を高めていく。「これだけの作業をこなさなくちゃっいけないんだ」という記憶が、反復によって筋肉にインプットされていくわけだ。我々の筋肉はずいぶん律儀なパーソナリティーの持ち主なのだ。……

NYCマラソンレースを目前に控えた時の文章。ランナー村上春樹が、こうして筋肉を手なずけていったのだと思うと、走る距離も速度も、走ることへの思いや姿勢も、まったく足元にも及ばない私だけど、大きな勇気をもらった。よろよろとでも日々走っていると、いやおうなく自分の心や身体と対話せざるを得ない瞬間があるが、これから走り終えたときには、筋肉に「今日も走らせてくれてありがとう」と感謝の言葉を捧げよう。

 

昨日は一昨日の自分への約束通り、ジョギングを休み、散歩とヨガのみ。今朝は、日差しもなく極寒だったので6枚重ね着して、いつもの6.4㎞(7.17分/km、149bpm)。

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As you know, one of the most renowned Japanese writers is Haruki Murakami. Have you ever read his book "What I Talk About When I Talk About Running"? This English version was published in 2009.

 

In this book, he tells us a kind of his life philosophy through his running life: how he got into running, what benefits he is getting from running, how he deals with something difficult during his daily running, how enthusiastic about marathon running he is, etc.

 

I found myself in sympathy with his way of thinking even if my jogging distance and speed as well as passion for running is FAR inferior to his. It really inspired me a lot.

 

As I decided the day before yesterday, I didn't jog yesterday (only taking a walk and doing 20-min yoga), while I jogged 6.4㎞ in this SO COLD morning, wearing 6 layers.