お盆は過ぎたけど、散歩がてら、実家の宗派と同じ曹洞宗のお寺に参拝してきた。人っ子一人いない境内には、蝉の合唱が鳴り響き、隣接するお墓から線香のにおいが漂ってくる。なんだか懐かしいような背筋が伸びるような、そんな思いで手を合わせる。
お賽銭箱の横にメッセージがふたつ。
ひとつは、詩人で書家の相田みつをさんから。彼のメッセージはいつだって核心を突きながら温かく優しい。ほっと素直になれる。もうひとつは、興道禅人から。ずしっと心に響いた。
ちょっと一服すればいい。人間ちょっと一服したのが仏じゃ。人間がエラクなったのが仏じゃないぞ
帰宅して調べたところ、興道禅人は、定住する寺を持たなかったことから「宿なし興道」とも呼ばれ、各地を転々としながら座禅を広めた曹洞宗の僧侶。禅を愛したスティーブ・ジョブズにも影響を与えたとかで、彼の禅の教えは世界的禅ブームの源流になったらしい。たくさんの著作がある。たとえば、『禅に学ぶ人生の知恵 澤木興道名言集』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2018年)には興味深い言葉を残している。
●今! 今! 今! 一生が今の連続である
●自分になり切る。わたしがわたしになり切る。あなたがあなたになり切る。山が山になり切る。茶碗が茶碗になり切る。一切の物がそれ自身になり切る。
フォーカスするのは過去でも未来でもなく今、そして他の誰でもモノでもなく自分!
今日も、朝一のルーティン、散歩、夕方のヨガ。最近走るのを控えていたら、中殿筋の痛みが和らいできた。走り続けず、ちょっと一服の効果かな。それならうれしい。