一泊で熱海へ行ってきた。やっと長期休暇が取れた娘が父親の誕生祝いを兼ねてプレゼントしてくれた旅行。海岸と港、坂道とその街並みがモナコや香港を彷彿とさせる熱海は、2007年に父が亡くなってから、母と妹と三人で始めた旅行の最初の訪問地。なつかしい。
楽しみだった温泉には3回も入った。露天風呂から望む海と空はまるで絵画のよう。娘とふたり、おしゃべりしながら、まったりゆったりリラックス時間。
夕食のフレンチは申し分なし。ボジョレヌーボー解禁日と関連会社オリックスのパリーグ優勝祝いが重なり、こちらが恐縮するほどのサービス〜ありがたい。
翌朝は日の出前に起きて、波の音を聞きながら海岸沿いを10㎞のランニング〜気持ちいいことこの上なし!!
朝食はアメリカンブレックファーストタイプ。お代わりするほど気に入ったのは、食前のケールと柚子とリンゴのジュース。フレッシュな液体がランと温泉の後の身体に細胞単位でしみわたっていく。地元の食材をふんだんに使った数種の料理と洒落た接客のおかげで、美味しく優雅なひとときを過ごさせてもらった。
目も胃袋も満足した後は、坂道に足腰を鍛えてもらいながらウォーキングタイム。熱海鎮座の来栖(きのみや)神社は、江戸時代末期までは「木宮明神」と称され、木に宿る神々を祀る神聖な場所として地元の人々の崇敬を集めてきた神社。森羅万象に神が宿ると信じるのは、八百万の神々の存在を説く多神教の神道の考え方だ。本殿の後ろには、樹齢2000年超のご神木の大楠がそびえたつ。周囲23.9m、高さ約26mの本州一位の巨樹だという。幹を一周廻ると寿命が一年延びるという伝説があり、私たちも健康寿命の願いを込めて一周りした。
もみじまつりを開催中の熱海梅園は、日本で最も早咲きの梅、そして最も遅い紅葉が楽しめるという公園。1886年に開園した背景には、「温泉の効能に加えて、適当な運動が健康を保つ」という考えがあり、高台に造成されたとのこと。エントランス近くでは、Yの字のように途中から2本の幹に分かれた立派な夫婦松が訪問者を出迎えてくれる。60品種の合計469本の梅、380本の楓、134本の松に代表される木々が楽しめる公園は、熱海という温泉保養地に新たな魅力を与えてきたことだろう。梅の時期の見事な光景を思い浮かべながら、始まったばかりの紅葉を楽しんできた。
こうして非日常の時間を過ごすと、また日常を頑張りたいと思う。そんな時間を作ってくれた娘に心から「ありがとう」💖